2011.11.13 赤信号を渡る① 2011年1月26
普通は青信号を渡るのに、なぜ赤信号でしょう。
日本は何でもきちんとルールで出来ているので、その通りにやれば、
大抵スムーズに行きます。
道路だって、交通信号をきちんとしています。どんな小さな道でも。
あるべきところはちゃんと信号が設置しています。
日本で長く住むと、信号もちゃんと守るようになりました。
怠けものになるような感じで、神経を尖らして、赤信号を渡ろうと
しなくなりました。安心安全に、ルールに乗れればかなり楽じゃないと
思うようになりました。また渡ろうとしても渡る勇気もなくなりました。
しかし中国に行くと、別の世界です。
10年前大連の開発区に行くとき、それほど広い通りなのに、
信号はありませんでした。横断歩道があっても。
歩行者は自由に渡りたいときに渡る、渡りたいところから渡りました。
大連に帰るたびに、一番の問題は道を渡ることでした。
怖いです。車が走った道をそのまま渡るなんて、
従姉妹や妹が毎回私の腕を引っ張って、途中で戻らないように必死でした。
途中で戻ると一番危ないからです。
それこそ自殺行為です。
経済に発展にともに、だんだん交通整備もよくなりました。
せめてあるべきところに、信号はちゃんと機能するようになりました。
これは大分助かりました。
時間が多少長くても、待っていれば、何とか安心に渡れます。
一度青信号を待っていても、なかなか青に変わりませんでした。
長いなあと思ったところで、後ろから1人男性が来て、
「この信号が壊れていますよ。」と言いながら、
渡り始めました。私は急いでその方の後ろについて、渡りました。
恩人のように思っていました。
去年の夏に大連に帰ったときのことです。
青信号のときに渡り始めると、途中で赤に変わりました。
ちょうど半分渡って、次の半分の半分を渡っているところで、
なんか車は動き始めようとしているのをみて、引き返そうか
進もうかとちょっと迷いながら、2車線目を渡ると、もう1列の車は
(3車線?)
すでに走り出して、私は「あっ」と道の端に飛び上りました。
跳ねられそうなところでした。
ちょうど1人の男性は通っていました。
彼は目の前の風景を見ながら通りすぎたのに、また振り向いて私を見て、
何か言わずにいられない様子で、戻ってきました。
「ねえ、今の渡り方は一番危なかったです。引き返してはいけないし、
そのまま渡ってはいけませんでした。もし2列目の車はバスのような大きな車なら、
3列目の車はあなたが見えない状態になります、あなたが飛び出すと、ちょうど
ぶつかってしまうのです。」
「じゃどうすればいいですか、そのまま真ん中に立つのですか。」
「そうですよ。」
車が走っている車道に挟まれている狭い隙間に立てるものでしょうか。
「少し待ってくれればいいじゃないですか。」
「その考え方は先進国ならいいですよ。」
その気品を見れば、先進国から帰ってきた人間に違いがありません。
言わなくてもお互いに分かるでしょう。
国内にはこのような不器用な人間はいないでしょう。