2011.11.13 初 恋③2011年3月2日
これは1994年の夏の話です。あの時中国の経済は目覚め始まったば
かりでした。日本のバブルはすでに中国語のアクセントの第4声のように、
斜めに下がり続いていました。
(中国語を勉強したことはない方が、第4声はどんなイメージかこれで分かるでしょう。)
彼は私より9歳年上で、日本の会社で勤めていました。その時彼は
日本はすでに終わり、これから中国の時代になると判断して、
会社の社長を説得して、中国に投資させようとしていました。
そのための視察で、中国のいろいろのところを回っていたのです。
タクシーは私の指示通りに走り出しました。
まさか今日は男を家に連れていってしまうじゃないですか。これはまずいです。
あの時、女性は男性を家まで連れてくると、まあ恋人だということを確定されます。
どうやって両親に説明したらいいでしょうと頭で考え始めました。
幸い夜でした。昼間だったら、もううわさが町中に飛びまわってしまうじゃないですか。
あの時の夜の大連でもそんなに明かりがいっぱいではありませんでした。
大連から出ると、ますます暗くなっていきます。
田舎に入ると真っ黒でした。道路の両側には山と畑です。
故郷の山にはあまり森はなかったです。
農作物はとうもろこしがメインです。夏ごろ、とうもろこし畑は私より高いです。
気味が悪かったです。
道路は土のままで、凸凹でした。車はそれほど早く走れませんでした。
時下まで2時間近くかかりました。
彼は運転手を気遣って、ずっと運転手と話していました。
家に着きました。
庭にテーブルや、食器などまだ綺麗に片付けていないまま散乱していました。
結婚式の前日、女性の実家は親戚などを集めて、宴会を開きます。
その時、レストランではなく、全部家でやります。庭で臨時的な大きな
キチンを設け、料理を作ります。テーブルは家から庭まで、庭から隣の家と
庭、また通りまで並んでしまいました。
その宴会に私は参加していませんでした。
私は両親に「会社のお客さんで、食事が遅くなり、心配して家まで
送ってくれました。」とごまかしました。
彼は両親といろいろな話をしていました。
多分30分ぐらいで、家から出来てきました。
私は彼を見送り、彼はタクシーと乗ろうとしたとき、
「日本に帰ったら、お金を送ります。今の会社を辞めて、
行きたい大学に行きなさい。」と言い残して、タクシーに乗り込みました。
タクシーはすぐに暗闇に消えました。
急に「今彼は何を言った?」と耳を疑いました。
今の暗闇に消えたように彼はもう消えました。
明日上海に帰るそうです。また会う機会さえもないでしょう。
何も期待できないよ、ただの夢、夢・・・と自分に言い聞かせていました。
二日間たつと、全て現実に戻りました。
三日間後のお昼、いきなり同僚に「電話です」と呼ばれました。
電話を取ったら、彼でした。
2011年3月2日